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夜明けの街で

著者
[東野圭吾]
出版社
[角川書店]
読了日
20080205

不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた。ところが僕は、その台詞を自分に対して発しなければならなくなる。ただし、その言葉の後に、こう続ける。でも、どうしようもない時もある。

というのは、帯の言葉。

幸せな家庭を持つ男性が、会社に派遣で来た女性とちょっとしたきっかけで出会い、深みにはまっていく。最初は、魅力的な女性との時間が楽しかっただけなのに、回数を重ねるに従って、関係が深くなり、浮気だったはずが本気になっていく。なんか、そんな気持ちってわかるような気がする、というのは危険ですね。

そして、この本では、彼女の抱えている過去が深く関わってくる。過去を知れば知るほど、関係を重なれば重ねるほど、引き返せないほどに情が深まっていく。だけど、その結末は...

やはり、東野圭吾、うまいです。最近は、「容疑者Xの献身」ほか、ミステリーとしてだけでなく、完成度が高くなってきているような気がします。