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四度目の氷河期

著者
[荻原浩]
出版社
[新潮社]
読了日
20061026

荻原浩の今の時点での最新刊。

父親のいない主人公。
どことなく周りの同世代の子供たちと風貌が違う。体つきが違う。
母の経歴、仕事の内容から、主人公は自分の父親について途方もない仮説を立て、それを信じて生きていく。

野生児として暮らそうとしている中で出会う男のような少女。主人公も少女の小学校から中学校へ、そして高校へと進んでいくうちに当然大人になっていく。自分の体が変わっていくのは、自分の出自によるものなのか、それとも誰でも同じkとなのか...

自分の強みを活かし、そして行こうとする主人公には、厳しい現実もあるのだけれど、純朴で疑うことの(あまり)ない主人公には、いつか親友と呼べるような友もできる。

そして、ついには取り返しのつかない(?)ことを起こして...

いつもながらに軽快にくいくいと引き込んで切れる語り口は心地よい。
最後はどうなるものかと一気に読んでしまったけれども、ついうるうるとしてしまいそうだった。講師控室だったのだけれど...
読後感は爽快でした。

高校まででこれだけのことを経験してきていれば、固い絆の人間関係もできているし、彼の人生はきっといいものになったんだろうと思います。