てのひらの中の宇宙
- 著書
- [川端裕人]
- 出版社
- [角川書店]
- 読了日
- 20060916
大好きな川端裕人、書店で見かけて即購入。
夫婦には、子供が二人いる。妻は、がんに侵され手術を受けたものの、その後転移して再手術、そして化学療法が続く。家族それぞれの中に、それぞれの不安を抱えつつ。
小さな子供は、自分の周りのいろんなことが気になる年頃。
水辺の命、アンモナイトの化石、そして宇宙。自分を取り巻く世界には命があふれ、命って何なんだろう。そんなことを、父親から教わりながら自分の世界を広げていく。
人の命は有限。無限に生き続けることは不可能。いつかは終わってしまう命。その命はこの世界とどうつながっているのか。そんなことをひとつの考え方として、子供に伝えるというコンテキストの中で教えてくれる。
命は永遠に連鎖し、宇宙は無限に広がり、一つの命はそんな中ではちっぽけなものかもしれない。それはたぶんわかる。わからせることができる。でも、それでも家族の中では、かけがえのない、終わってはいけない命なんだ。
やっぱり、川端裕人いいです。