せちやん 星を聴く人
- 著者
- [川端裕人]
- 出版社
- [講談社文庫]
- 読了日
- 20061019
文庫化による再読。世捨て人的なせちやんの印象が強かったけれど、こんな話だったのだね。いかにいい加減に読んでいたのか、それとも、忘却の彼方に行ってしまったのか。
学校の裏山にある摂知庵にすむ「せちやん」。日がな一日、プラネタリウムを作ったり、パラボラアンテナで宇宙からの声を聞く。宇宙にいる友を探して、彼らの音を聞こうとする。せちやんは、setiやんなのだ。本当に、星の声を聞こうとしていた。
彼のところに集まる、少年3人。みんなそれぞれの道を進むが、周囲に流され、ビジネスで一時成功した主人公は、3人の中で最後にせちやんの本当のところが理解できて、そしてせちやんとなっていく。
人生の成功と失敗っていったい何なんだろう。
そして、せちやんは本当に星の声が聞けたのか。