{{amazon 4575509701}} :著書:{{category 荻原浩}} :出版社:{{category 双葉文庫}} :読了日:20061005 心地よいスピード感で読了。おもしろかった。ユーモア調の文体がやっぱりいい。 前科もんで、引き受けてくれていた工務店で些細なことから、親方を殴りつけて、店の車で飛び出してしまって...もうどうにもならないと、思いつめ、死に方、死に場所を求めてうろうろ。でも、死に切れないでいる間に一人の子供に出会う。話を聞くと大きなうちのお金持ちの子供。刑務所で聞いた話をもとに誘拐してしまえ、ということになるんだけれど... これが面白いのが、子供の親父さんがやくざ屋さんの親分だったって言うこと。 警察には知らせないんだけれど、子分たちが張り込んで、追跡して、追い込んで... それに、対抗する香港系マフィアみたいのが絡んできたり、警察も首を突っ込んでくるのだ。 それぞれの人物像を描写していくところが面白い。刑事さんは奥さんに頭があがらなそうだし、やくざさんもいろんな背景や生活の中で生きている。 暴力団、やくざっていう、非日常の中にも、日常の生活があるところで、微妙な親近感を持たせてくれるのかもしれない。