こちらは、大奥とうってかわって、映画らしい映画。間の取り方が全く違う。映画の尺に内容を切り込んでゆったりと伝わってくる。 キムタク主演の話題が先行しているけれど、必ずしもキムタクである必要はないし、キムタクがでなくっても、当然、伝わる部分は伝わってくると思う。話題先行で、内容に関してはちょっと先入観をもたれたとすれば、損をしているのかもしれない。 地方のお城で、お毒味役を務める下級武士。不運にも貝毒にあたって高熱でうなされ、結果視力を失う。当然、お城での仕事はできなくなり、生活に困窮する危機に陥るのだが、職務(?)上の事故でもあり、立場は維持されることになる。ところが、これに関連して、妻がたぶらかされる。でもって、武士の一分なのだ。男の一分といってもいいのだと思うのだけれど...そして、目が見えないのだけれど果たし合いを仕掛けていく。 相手の側にも、最後、若干の武士の一分がかいま見られるのだけれど...そういう時代が描かれている。戦がない時代にあっても、武士は武士なのだ。