!TOHOシネマズ川崎(20061001) こういう映画を見て、いつも思うのは、そういう時代に生まれなかったことの幸せ。 彼らの命の上に、今があることへの感謝。 明治大学野球部のピッチャーだった並木。まだ、学徒の動員が始まる前。自ら志願して海軍へ。陸軍よりも海軍の方が人間らしく扱ってくれそうだから...そんな理由で選択した海軍。でも、そこで待っていたのは、人間魚雷回転への搭乗。並木は搭乗員を志願し、訓練に参加する。チームメイトで搭乗員が志願できなかった友人がのった輸送船が撃沈され、自分よりもさきに散っていったことを聞き、決意を固めていく。 紆余曲折の訓練の末、ついに実戦配備。日本の勝利、戦火など関係なく、特攻によって命を散らすことだけを考える友人。散っていった友人。散りたくても故障などで出撃できなかった友人。並木は、既に日本の勝利がないことを理解していた。それでも、命を捨てて出撃していくことの目的を考え、いや、自分の中で作り出していった。そして終戦直前のある日... おまえは、敵兵を見たことがあるのか。敵にも自分と同じように、家族がいて恋人がいるのだ。戦うのは個人ではなく、国と国なんだ。でも、それなら国っていったい何なんだ。 戦時中におそらく口に出すことは難しかった言葉だと思うのだが...当時、エリートだった大学生は、考えるべきことは考えながら戦争に行っていたのだろうなぁ。 涙を誘います。