{{amazon 4575508454}} :著書:{{category 荻原浩}} :出版社:{{category 双葉文庫}} :読了日:20061004 内容とは関係ないのだけれど、まず、読了してちょっとびっくりしたのが、双葉文庫には解説がないっていうこと。単行本が文庫化されれば、末尾に数ページの解説がつくのが当たり前だと思っていたのに、これがないのはちょっとがっかり。 さて、話は、ハードボイルドかぶれの私立探偵の話。ハードボイルドに生きようとしているのだけれど、やってくる仕事は、犬、猫などのペット探し。ほとんど便利屋。 ハードボイルドを気取るために、美人秘書をつけようとチラシをつかうと...やってきたのは、八十過ぎの婆。この婆がひと癖もふた癖も...年を重ねただけあって、探偵はかなわないのだ。 犬、猫、イグアナなどと関わっているうちに、殺人事件に遭遇し、本当の探偵として活躍しようとするのだけれど...命からがら... とにかく、ハードボイルドは虚構の世界であって、現実には生きてはいけない。 ハードボイルドを気取ったバーには、いつの間にかおでんの鍋がはいり、カラオケも、最後には...軒先を貸して母屋を取られるというか、名より実を取るというか... ハードボイルドって、基本的に読まないんだけど...だから、この文体はちょっと目新しいんだけれど、非常に鼻につく感じで、なかなかスピード感を持っては読めなかった。 ハードボイルドを茶化したような作品で、こうなんだから、きっと私にはハードボイルドは合わないんだろうな。ずっこけた感じが心地よく読めるし...たぶん私自身も、ずっこけた感じが心地よいのだろう。